碁盤太平記 山科閑居 大石妻子別れの場の解説 壱
浅野内匠頭が無念の切腹を切腹をとげたあと、城を明け渡した大石内蔵之助は山科に長男・主税とともに移り住んだ。
江戸の浪士たちは仇討をせかすが、内蔵之助はいっこうに動かず遊郭に入り浸り、碁をうって日々を過ごしている。
それを知った母千寿は妻りくと共に但馬豊岡よりはるばる訪れる。りくは主税をしかることで内蔵之助に意見をする。
いっこうに話を聞かぬ内蔵之助に千寿は亡き夫の位牌で打ちすえて涙ながらに意見する。
吉良の間者が居るために本心を打ち明ける事ができぬ内蔵之助は、妻を離縁し母親と親子の縁を切り豊岡に追い返す。
この屋敷には吉良方の間者が二人入り込んでいる。
字が読めないはずの良助が吉良からの手紙を読んでいるところを主税に見とがめられる。
もうひとりの間者・女中のお梅が主税に切りかかる。ところが良助は主税をかばいお梅を刺し殺し、自分も重傷を負う。