曳山整備とその他の準備
山の構造上傷みやすいのが車輪です。車軸にはベアリングなどありませんし、車輪もハンドルのように曲がる機構は付いていません。祭の前にはグリスアップをします。古い油を落として新しい油にするのですが、一般的なグリスではなく髪に使う鬢付け油を使います。
車輪の内側も同じように手入れをします。
構造はいたって簡単。車軸を車輪に通してくさびで留めるだけのものですが、 直径70センチの大きな木の車輪は2・3人がかかりでないと持ち上がらないような物です。
ちょっと一服・・・
山の整備だけでなく、お渡りで使う青竹も準備します。許可をいただいている竹藪から、人が持つのに合った太さの真っ直ぐな竹を選んで切り出します。
枝を払って適当な長さに切りそろえて詰所に持ち帰ります。

あとはこの竹に半紙を巻いて紅白の水引を付ければできあがり。水引の形が綺麗に形になるような結び方をすることもちょとしたポイント。

祭の1週間前には湯谷神社の境内で、丁度山の正面になる位置に桟敷を組み立てます。各山組から人が出て10人程で1時間の作業です。
本楽では山を正面から見れる特等席ができあがり。当日の朝には紅白の幕やござが敷かれます。

この作業の後、各山組の総代が神前で山を止める位置を確認します。倉の柱と杉の木の延長線上に山の前柱を合わせる・・・山と山の間は花道何枚分など細かな位置決めがされます。ここに山を止めるのは宵宮の登り山の時になります。

昔の北国街道だった米原の道は自動車がすれ違うのがやっとのような細い道が大半。街灯は祭の期間だけ横を向けないと山に当たってしまいます。庭から道にはみ出た木の枝も障害物。許可を得て切らせてもらいます。